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2011 『浅田次郎』を読む。

昨年末に、半年ぶりに中国から帰ってきて、
新年早々、『ハッピーリタイアメント』を読んだ。
期待が高かったせいだろうか、登場する人達もどこかで(短編やらで)読んだことのある人達で
結末も、何となく分かりきった結末で、正直つまらなかった。
どうもプリズンホテル的な作品は自分に合わない。
もう、浅田次郎はやめようと本気で思った。

膝を痛めた六月。外出もままならないので、膝をかばいながら図書館へ行って
息も絶え絶えになりながら手にしたのは『日輪の遺産』。
タイトルが仰々しいので、大して期待していなかったが、
昼過ぎに借りてきて、そのまま夜中までかけて読んでしまった。
あとがきで、浅田次郎自身が”書き直したい部分もあるが…”等の事を書いていたが、
とんでもない、十分にすばらしい作品です。
プリズンホテル的な登場人物も出ているが、シリアスな場面とのバランスが取れていて
全体に、シリアスだけどスムーズに読める作品だと思います。
ラストがねえ・・もう・・ホントに・・・涙・涙。

おっ浅田次郎も良いじゃねえかと、続けて『マンチュリアン・リポート』を借りた。
ホントに何の気なしに借りたのだが、
これが中国清の時代を舞台にした、あの壮大なドラマの続編だったのか…。
う~ん、正直もっと読み応えのあるものを期待していたのだが…。
(張作霖爆殺の真相に迫るもので、内容は十分に面白い)
いや待てよ、『蒼穹の昴』と『中原の虹』の間にあった『珍妃の井戸』的なポジションか。
張作霖を死なせないと、次の登場人物(予想では張学良)に進めないって事か?
それとも、これで終わりか?

そして図書館で、チラチラ見ていた長編の2冊(いずれも上下巻あり)。
自分の忙しさの状況と、図書館のタイミングが合わず中々借りれなかったが、
ついに『終わらざる夏』を借りて、読み終えた。
う~~~~ん。すっごく重い。
こんな休日の朝に読み終えたら、一日何をやる気も出ないですぜ旦那。
舞台は終戦間近の東京・岩手・長野。召集されるはずのない人達が召集され青森の部隊へ。
と思ったら、北海道から千島列島へ向かう。
正直知らなかった。終戦後に戦争があったなんて。
みんな知ってた?終戦後にソ連が千島列島に攻めてきて侵略したことを。
終戦の日、プラス数日まで北方四島はおろか、千島列島の各島まで歴史上明らかに日本の領土だった事を…。
知らなかった。全く知らなかった。
こんなこと歴史の教科書に載っていたのか。
(いや、たとえ載っていたとしても全く記憶がない)
ん?それともフィクション?
まさか、こんな大げさなフィクションは作らないだろう。

救いは、物語に登場する子供たちと若者なんだろうなあ。
(ファンタジーな部分もあり、少しほっとします)

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by yagisan123 | 2011-11-27 22:58 | | Comments(0)