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『福島で生きる!』(山本一典)

図書館から、本の返却の催促が来た。
二週間が期限なのだが、割と普通に一ヵ月とか借りてしまっている。
「すいませ~ん」いつも謝りながら返してる。

今回は、大体読んだのだが、何となく手元に置きたかった。

『一刀斎夢録』(浅田次郎)
これはやっぱり、浅田次郎の五指に入る傑作だと思う。
命のやり取りのすさまじさ。そして後半は、鉄之助との感情のやり取りが切ない。
同じ熱をもって最後まで続く、浅田次郎の力量はすごい。

『君は嘘つきだから、小説家にでもなればいい』(浅田次郎)
2000年頃からのエッセイをテーマごとにまとめてある。
「英雄の足跡」の章では、その『一刀斎夢録』にもふれている。
登場人物の市村鉄之助や久米部正親も実在してた人物らしい。
斉藤一が西南の役に政府軍として参戦し、その後も長生きしたのは事実らしい。
「夢録」のいわれが面白い。

『福島で生きる!』(山本一典)
タイトルに惹かれて何気なく手に取った。
実は一度、ブログに書き込んで「プレビュー」で確認した後、消えてしまった。
もう一度、書こうと思いつつ今日になった。
サブタイトルに、【原発31km地点・100日の記録】とある。
福間県田村市都路町に移住し10年以上経つ、主に『田舎暮らしの本』のライターである著者の実際に体験した、3・11後100日の記録。
震災後、常葉町山根に避難、そこが31km地点ですが、そこからさらに西に来ると私の住む船引町。
なので、読んでビックリ。全く自分が体験した事と同じことが書いてある。
食糧不足、ガソリン不足、何ともいえない不安・苛立ち、テレビで報道されている内容と現地のギャップ。
特に、テレビでは悲惨な所・可愛そうな所をピックアップして取り上げるので、何となく違和感をかんじていた。現実には普通に健全な暮しが成り立っている。

最後の章にこうある、
『…私たちが戦っている相手とは、おそらく福島の現実を理解しようとしない人間と情報、そこから生まれる差別と偏見であろう。
 一部の専門家は「放射線は微量でも危ない」と外から煽り続けた。百歩譲ってそれが正しいとしても、この脅し文句が福島県民にもたらしたストレスは放射能より有害なことは明白だ。
 「即刻、学童疎開せよ」「10年後、20年後にガンになる」などと外から指摘されたら、シニア世代はともかく、子育て中の親は動揺しないはずはない。…
 私はデータを隠せと言ってるのではない、各分野の意見がバラバラだという事が判明した以上、国際的合意のない自説を展開するためにネガティブな断定を安易にするなといいたいだけである。放射能の危険性を強調するあまりに、確率要素だけでここまで福島県民を追い込む権利は、学者にも医者にもジャーナリストにもどの団体にもないはずだ。
 むしろ大切なのは、、広島・長崎の医療関係者がたびたび口にする「正しく怖がれ」というメッセージではなかろうか。…』
長々と引用してしまいました。
山本さんごめんなさい。
実は、山本さんの娘は、私の三男と同じ田村高校に通っています(本に書いてある)。
一度、山本さんにお会いしたいものです。

原発から31Km地点の、ウソも誇張もない全うな事実がここにあります。
時には、高校生の娘に叱られる父の姿もあります。
ありのままの、福島31km地点の現実を知ってほしいと思います。
是非続編を!


『福島で生きる!』(山本一典)_e0170863_0181645.jpg

by yagisan123 | 2012-05-14 00:10 | | Comments(0)