『命もいらず 名もいらず』山本兼一著

幕末から明治にかけて活躍した、山岡鉄舟を書いた本。

山岡鉄舟って、名前を聞いたことがあるけど何をした人か全く知らなかった。

一言で言うと、明治の天皇陛下の侍従になった人である。

江戸時代から、明治に変わっての最初のリーダーの付き人(?)であり、指導者であったりするわけだよね。

この人の人生が実に型破りで面白い。

破天荒とかいうのではなく、実に真面目(自分に対して)で、真面目を貫こうとすると型破りになるという

きっと、この時代には本当にこんな人が存在したんだろうな、と思う。

剣の道を究めようとすれば剣を、善を究めようとすれば善を、そして書を、正義を、国の行く末を

それこそ寝る間も惜しんで邁進する。

「自分の為に善い事は、国の為にも善い事になるだろう」という父の遺言を胸に。

幕末から明治の人なので、幕末の動乱に巻き込まれていくわけだけど、

勝海舟との出会いもあって、幕臣であっても日本国というレベルでものを考え、動いていく。

自分の中の歴史は、大政奉還とかで完結している感があるけれど、

当然、明治になって体制が変わっての、生みの苦しみがあったわけで、

そんなのが読み取れて良かった。

『利休にたずねよ』以来の山本兼一の本だけど、文体が竹を割った様にきちっとしていて、

実に気持ち良い。



さて、それに対して少し前に読んだ『黒書院の六兵衛』(浅田次郎著)

何だろうな~、これ。

まあ、人によって感じ方は色々だろうけど、正直つまらなかった。

これも、同じ明治の初期の話。

江戸城明け渡しが決まった城の中に、じっと黙って座り続ける武士にまつわる物語。

ただただ座り続ける武士に正義はあるのか??

そして、その正体もちゃんと納得できるようにしてくれたら、読後感も変わっていたかもしれない。



個人的に、坂本竜馬で終わっていたこの辺の時代がつながってきました。

壊すのも大変だったろうけど、創る方はもっと大変だったろうなと、改めて思った。



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by yagisan123 | 2014-08-31 23:36 | | Comments(0)