『火天の城』山本兼一著
今年の年の初めに誰かが言っていた。
「あっという間に、年末だよ」
正月早々、ありきたりなジョークだなと思ったが、”真実”だった。
まさに、時間が加速している。
そうこうしている内に、ブログを更新しないまま年を越しそうなので、書いておく。
今年後半は、自分的に”山本兼一”の年だった。
『火天の城』でがっちり心を鷲摑みにされてしまった。
織田信長の配下の大工となり、安土城を築いた男たちの物語である。
骨太な職人の世界、初めて作る石垣積みの七層になる巨大建築。
当時としては奇想天外な天主閣(天守ではないのだ)、技術の粋を集めた豪華絢爛な装飾・内装。
男のプライド、父と子のきずな・・・。
どっぷりとハマりました。
そして信長の姿を求めて「信長死すべし」「弾正の鷹」。
屏風絵の狩野永徳を求めて「花鳥の夢」。
日本にキリスト今日を伝えたポルトガルの伝道師を知りたくて「ジパング島発見記」「銀の島」。
不思議なことに、信長そのものは書いてないんだよね(・・・ん?見つけてないだけか)。
たしか、山本兼一さん2月に亡くなっているんですよね。
残念ですが、まだまだ読んでない本があるので楽しませてもらいたいと思います。
暮れに、”とびきり屋見立て帖”シリーズというのに出会いました。
幕末の京の、骨董屋夫婦の話しで、ほっこりとした短編が並びます。
年末はやっぱり人情物が良いなあ。
by yagisan123 | 2014-12-28 22:22 | 本 | Comments(0)