「新参者」「流星の絆」 東野圭吾著
以前、東野圭吾にハマッテいた時期があったんですが、
ここ数年読んだものと言えば「容疑者Xの献身」とガリレオシリーズくらい。
それが正月に見たドラマ「赤い指」でオヤッと来て読み始めてみました。
(本は読んだ事があったんだが、その時はそんなに深く感じなかった。)
さて「新参者」。
(ドラマ化された時、秋田に居て観てなかったんだよね)
東野圭吾はストーリーティーラーで、話の面白さ奇抜さでグイグイ引っぱってくれる作家だとばかり思っていたら、違っていました。下町の人情話で展開していって、殺人は起こっているものの、このまま人情話で終わってしまうのではと心配したほど。最後は無事犯人までたどり着いたけど、そこにいくまでの人間模様が微笑ましかったり、ホロリときたり。
年のせいか人情話に弱くなっています。
そして「流星の絆」。
以前ドラマ化されたので犯人は初めから分っていたものの、最後までドキドキしながら読めたのは、作家の手腕なんでしょうねえ。(単に忘れていただけか)
兄弟が刑事に変装して戸神邸に乗り込んだ時の偽名が、草薙と加賀って笑えるよね。
あれれ、ドラマのラストってこんなだっけ?
調子に乗って、ドラマのDVDを借りてきました。
では。
被害者の友人の問いに、加賀刑事が答えるシーン。(「新参者」)
”「加賀さん、事件の捜査をしていたんじゃなかったんですか」
「捜査もしてますよ、もちろん。でも刑事の仕事はそれだけじゃない。
事件によって、心が傷つけられた人がいるのなら、その人だって被害者だ。
そういう被害者を救う手立てを探すのも刑事の役目です」
多美子は頷いた。箸をにぎりしめた手に涙が落ちた。
頭上で風鈴が、ちりんと鳴った。”
by yagisan123 | 2011-02-13 21:35 | 本 | Comments(0)